制度活用、男性も育休を取るべき5つの理由-おすすめ期間やデメリットー

生活
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女性の出産・育児休暇に比べ、まだまだ男性の育児休暇は取得しづらいのが現状。
その要因には「収入が減る」「会社に申請しづらい」などさまざまな理由があるかと思います。
しかし父親である男性が育児休暇を取ることには大きなメリットが。
この記事ではサラリーマンの私が実際に育児休暇を取得した経験から、男性でも育児休暇を取るべき理由について解説します。

わい
わい

それでは早速まいりましょー!

男性が育休を取るメリット

男性が育休をとるメリットは以下の5つです。

  • 半年までの育休取得なら収入はほぼ変わらない
  • 子供と一緒にいる時間が増える
  • 家庭環境が良好になる
  • 時間的な余裕が生まれる
  • 企業側のイメージ向上

1つずつ見ていきましょう。

半年までの育休取得なら収入はほぼ変わらない

よく言われるのが「収入が大幅に減る」という誤解です。
育児休業を取得すると、男女を問わず会社からの給料は支払われません
しかし休暇取得まで雇用保険に加入していて一定の要件を満たしていれば、育休取得後は毎月給付金が支払われます
計算方法は2段階で設定されていて、取得日からの期間によって異なります。

  • 育休取得日から6ヶ月まで  「休業開始時平均月額×67%」
  • 育休取得日から6ヶ月以降  「休業開始時平均月額×50%」

なんだよ!どっちみち収入激減じゃん!

わい
わい

慌てるなかれ!育児休暇中は社会保険料が免除されます。

毎月の給与明細を見ると、通常であれば「社会保険料(健康保険・厚生年金保険)」が額面から控除されているかと思います。
育児休暇を取得すれば、この「社会保険料」が免除されることになります。
よって額面の月額平均が30万円だった場合、休暇取得6ヶ月までは67%にあたる約20万円がそのまま給付金として支給されるのです。

普段の額面収入から社会保険料を控除した後の手取り収入と、思ったよりは変わらないのではありませんか?
実際私の育児休暇中は、これまでの給与収入と大差ない給付金を支給してもらいました。
なお、給付金には上限があるのでご注意ください
また、対象となる期間は「育休を開始した日が含まれる月から終了した日の翌日が含まれる月の前月まで」となります。

わい
わい

なに言ってるかよくワカラナイ。

具体例を見てみましょう。

  1. 5月1日-5月30日の期間育児休業取得→社会保険料免除対象月なし
  2. 4月30日-5月31日の期間育児休業取得→社会保険料免除対象月は4・5月分
  3. 5月31日に1日だけ育児休業取得→社会保険料免除対象月は5月分

つまり「月末を含んだ育児休暇を取得した場合、社会保険料が免除される」ということです。
よって上記①の例のように「約1ヶ月育休を取得しても社会保険料が免除されない」ということも起こりえますので、取得期間については十分ご注意ください。

さらに社会保険料免除は現在のところ「給与」だけでなく「賞与」にも適用されます。
つまりボーナス月など給与収入が多い月末に育休を取得すれば、その月の社会保険料が免除されるわけですね。

ちなみに社会保険料の免除は開始日を基準に適用されます。
出産予定日の都合等もあるかと思いますが、タイミングが合うなら賞与月の月末を含んで育児休暇を取得する方がお得です
以上のように、育休半年までであれば収入を大きく減らすことなく過ごせます。

なお、育休中の社会保険料免除の要件に関しては2022年から厳しくなる可能性があります。
これまでは月末に1日でも育児休暇を取得するとその月が対象となりましたが、法改正後は連続1ヶ月超の取得者が対象になるようです。(参考:日本経済新聞 2020/11/26

お子様の誕生時期やご自身の取得予定期間と併せて、しっかり情報収集を行ってください。
また、6ヶ月超の取得を目指しつつ収入を減らしたくない場合は、ネット副業などによる補填も可能です。
こちらについては「在宅副業におすすめ、webライティングで月5万円を稼ぐまで」をご参照ください。

わい
わい

収入面で育休取得がネックになっている方は、検討してみてくださいね!

子どもと一緒にいる時間が増える

育休取得の本質ですが、当然ながら子どもと一緒にいる時間を増やすことができます
毎日多忙で朝早くから夜遅くまで働いていると「起きてる子どもを見かけるのは週末のみ」なんてこともあるかと思います。

育休を取得すれば、子どもの成長を間近で感じることができるので非常におすすめです。
私自身は第二子誕生時に思い切って育休を取得しました。
大変さももちろんありますが、新生児からすくすくと成長するのを見ることができるのは貴重な経験でした。
今では第一子の時にも育休をとっておけばよかったなーと、とても後悔しています。

ご自身の子が新生児から乳児に変わる姿を楽しめる貴重な時間は、2度と訪れません。
奥様とも相談しながら、ぜひ育児休暇取得について前向きにご検討ください。
ちなみに子どもと一緒にいる時間は「小学生に上がるまでに8割が終了」と言われるそうです。

わい
わい

貴重な時間、大切にしたいものです

家庭関係が良好になる

一般的に、妻は出産を機に夫への愛情が低下していくそうです。
大事な我が子を守るため、これは仕方のないことかもしれません。
しかし夫婦が協力し合って子育てをした場合、夫に対する愛情が回復するという調査結果があります。

また、日常生活で妻をサポートできることでコミュニケーションが活発になることも。
父親が育児に積極的な場合、家庭環境や子どもの社会性に良い影響を与えるそうです。
実際育児休暇をきっかけに家事が得意になった、という男性も少なくありません。

子育ては夫婦二人の仕事です。
ぜひ一度、育休取得について話し合ってみてはいかがでしょうか。

時間的な余裕が生まれる

育児はお休みなしの24時間営業、子どもの状況に合わせる必要があるため自分のペースは維持できません。
それでも仕事をしている時期に比べれば、多少の空き時間があるのも事実。
隙間時間を上手に活用して、スキルアップやリフレッシュに使うこともできます。
奥様と話し合いながら、上手に時間を活用してください。

わい
わい

隙間時間で副業や資格取得に成功しました!

企業側のイメージ向上

余談となりますが、こちらは取得者側ではなく企業側のメリット
ワークライフバランスが叫ばれて久しくも、残業時間の削減や休日出勤の抑制などすぐには改善されないことも多いですよね。
しかし育休を取得すれば「男性でも育休が取れる」と社内外のイメージアップを図ることができます。

また、男性社員が育休を取ることで、事業主には国からの助成金支援があります。
こうした事実を知っていれば、育休取得に関しても幾分相談や申請がしやすいのではないでしょうか。

男性が育休を取るデメリット

当然ながら、育休取得はメリットばかりではありません。デメリットも抑えておきましょう。

社内不満や上司同僚への負担増

部員の追加補充がされることもありますが、多くの場合ご自身の担当していた業務が振り分けられます。
その場合、上司や同僚へ負担をかけることになります。(私がそうでした)
特に社員数の少ない企業であれば一部の社員に業務量が偏ってしまうことも。
また、個人に依存していた業務やスキルをすぐに引き継げない、といった弊害も起こり得ます。
育休を取得するのであれば日頃から上司・同僚とコミュニケーションを取り、業務引き継ぎについても滞りのないよう準備しておきましょう。

わい
わい

ちなみに私は複数の上司・同僚から恨み節を言われました……。(コミュ障)

パタニティ・ハラスメント

男性社員の育休取得の漸増に伴い、最近では「マタハラ」ならぬ「パタハラ=パタにティハラスメント」、いわゆる育休を取得した男性への嫌がらせなども生じているようです。
例えば育休復帰後に別部署へ異動させる不合理な減給や降格がある、などがその例です。
男性の育休取得にはまだまだ理解が追いついていないのが現状です。
しかし育休取得は法的に認められた権利でもありますので、正しい知識を備えて無理のない範囲で対応しましょう。

出世への影響

キャリア形成を強く希望しているのであれば、出世に影響する可能性は否定できません
育休を取得することで「育児に積極的」というイメージがつくのは望ましい一方、「重要な案件を安心して任せられない」などの弊害が発生する場合があります。
上司も人間ですので、育休中に業務を負担してくれた社員に情が移るのは仕方のないことかもしれません。
出世を目指すのであれば、復帰後は仕事で挽回できるよう頑張りましょう。

育休取得の注意点

家事・育児に主体性を

普段から家事や育児に積極的であれば問題ないかと思いますが、生活に係る取り組みは多岐にわたります。
炊事・洗濯・掃除はもとより日用品の補充や日々の細々した調整など、やるべきことがたくさんありますよね。
育休取得をきっかけに、家事分担について話し合うのもおすすめです。

ワイ
ワイ

Y家では私が炊事・掃除、妻が洗濯をメインに分担しています!

リフレッシュ休暇ではない

あたりまえですが、育児休暇は育児のための休暇です
人によってはあまり経験のない長期のお休みではあるものの、リフレッシュするための休暇ではありません。
自分ばかり好きなことばかりをせず、奥様へのお気遣いをお忘れなく。

自分のことは自分でやる

育休を取得するなら、これまで以上に自分のことは自分でやりましょう。
女性側からは「夫が育休を取得したせいで食事が面倒」という声も聞こえます。
せっかくの育児休暇ですから、普段できない家事に挑戦するのもおすすめです。
家事・育児に積極的に参加することで、これまで気づかなかった特技や適性が見えてくるかもしれません。
きっと新しい気づきがあるはずですよ。

失敗から学ぶ育児休暇の取得方法

ここからは実際に私が育休を取得した際の失敗談を通して、取得の方法を考えてみます。

事前準備を怠らない

育休を取得するつもりであれば、事前に準備しておきましょう。
具体的には

  • 就業規則を確認する
  • 根回しを行う
  • 業務の棚卸しをしておく

などです。

手続き自体は簡素なものですが、事前準備を怠ると思わぬ失敗も
私自身、第二子誕生の半年以上前に育休を取得する旨を上長へ伝えていました。
しかし取得期間についてはしっかりと相談していなかったため、いざ育休開始日が近づくと「そんなに取るの!?」と驚かれました。
せいぜい2週間程度と思っていたようです。

わい
わい

はっきり言っておけばよかった……。

また、就業規則には育休に関する事項が記載されているはずです。
取得期間や取得方法についてしっかり確認しておきましょう

余裕をもって申請する

申請自体は簡素なものですが、余裕を持って提出しないと思わぬ事態に。
私は出産予定日のちょうど1ヶ月前に申請書類を提出しましたが、上述した取得期間の問題があり一時保留に。
結局育休取得開始日は子どもの誕生日から1ヶ月ほど遅れてしまいました。

わい妻
わい妻

産後すぐが一番大変なのに……!

わい
わい

す、すびばせん……。

人事との調整

前述の通り育休取得中は会社からの給与は停止され、給付金が振り込まれます。
しかし人事担当者の中には申請時期や申請方法がわからず放置されてしまうことも

実際私は育休取得後、人事担当者へ問い合わせるまで2ヶ月ほど給付金が支給されませんでした。
貯金がないなど生活に余裕がないと慌てることもありますので、記録を残すためにもメールや文書などで給付金の申請について担当者へ確認しておきましょう。

男性の育児休暇取得の概要

最後になりますが、参考まで男性の育児休暇の現状について確認します。

男性の育児休暇取得率

令和2年度には12.65%と前年比1.7倍で過去最高となった男性の育休取得率。
しかし女性が80%台で推移しているのを見るとまだまだ取得率は低いと言わざるを得ません。
政府では「2025年に男性の育休取得率30%」を目標にしていますので、今後はさらに推進されるかもしれないですね。

女性の育児休業取得率
男性の育児休業取得率

出典:厚生労働省『令和元年度雇用金等調査の結果概要』

また、育休を取りやすくするために2021年からは子の看護・介護休暇を時間帯で取得できるようになりました
社内の基準整備などまだまだ課題は残りますが、少しでもお子さんとの時間が増えることが期待できます。

男性の育休に関わる「義務化」について

厚生労働省では男性の育休取得を促進するため、次のような「義務化」を提言しました。

  • 育休が取得しやすい環境づくりの義務化
  • 性別を問わない育休取得に関する周知徹底義務化
  • 大企業の育休取得率公表義務化

これらは「男性の育休義務化」ではなく、いずれも「企業に対する取り組みの義務化」です。
仮に男性の育児休暇が義務化になった場合、立場によってさまざまな意見があるかと思います。
私自身は、育休の取得は「目的」ではなくあくまで「手段」だと考えています。

家庭によっては「男性の育休はいらないからしっかり働いて収入アップ」の方が望ましいという声もあるでしょう。
夫の立場で育休を取得するならば、事前に家族と話し合うことが求められます。
お子様の誕生をきっかけに、ぜひ夫婦双方の考えを話し合ってみましょう。
育休を取得して終わり、ではなく何をするかが大事ですね。

「パパ・ママ育休プラス」の活用

2010年度から父親の育休取得促進のために「パパ・ママ育休プラス」という制度が設けられました。
特徴は次の通りです。

  • 両親がともに育休を取得する場合、原則子が1歳2ヶ月まで休業可能
  • 分割した育休の取得が可能
  • 妻が育休を取った後に夫が交代で育休を取れる

この制度によって、各家庭の状況に応じた育休の取得が可能になりました。

わい
わい

Y家では私と妻が同時に育休を取りました!

(出典:厚生労働省HPより

ただし「パパ・ママ育休プラス」の取得には要件がありますので、事前にしっかりチェックしておきましょう!

家族と自分自身のために、育児休暇を取ろう!

子どもの成長は早いもの。
手のかかる時期、特に第一子であれば両親ともにわからないことだらけでとても大変です。
特に奥様は夜間の授乳や夫不在の日中の家事・育児がスムーズにできないことにストレスを感じ疲労困憊。
夫が育児休暇を取得することで奥様とのコミュニケーションを増やしたり、お子様との時間を確保できたりすることは、きっとその後の人生にプラスになるはずです。

また、ご自身の視野も広がり生き方や考え方に新たな発見があるかもしれません。
「職場の事情で取りづらい」という状況はあるかもしれませんが、せめて産後〜1ヶ月を目安に育児休暇の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

わい
わい

このブログでは育児休暇を取得する男性を応援します!

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