賃貸物件退去時に高額請求されたときの対処法〜敷金をとりもどせ!〜

生活
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こんにちはー、わいです。

賃貸物件退去時に「敷金が返ってこない」「原状回復のために高額な費用を請求された」ということはありませんか?
そこでこの記事では、賃貸物件退去時に高額請求された際の対処法についてご説明します。
Y家の実体験もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

わい
わい

それではまいりましょー!

賃貸物件退去時は請求内容をしっかり確認すれば敷金も戻ります

退去時の荷造り

賃貸物件をめぐるトラブルは減少傾向にあるものの、いまだ高水準と言われています。
参考まで、全国の賃貸住宅の相談件数を見てみます。

国民生活センター住宅関連相談件数
出典:国民生活センター「賃貸住宅の敷金・原状回復トラブル」

一部必要経費もありますが、場合によっては高額な費用が請求されることも
泣き寝入りしないためにも、退去時に費用請求を受けたら内訳をしっかり確認しましょう。

管理会社は貸主負担のものまで請求してくる

賃貸契約には貸主(=住宅の保有者)と借主(=住宅を借りる人)がいます。
仲介業者でもある不動産屋さん(以下「管理会社」)は「本来貸主が負担すべき費用」も併せて請求することがあります。
全ての管理会社が余計な請求をしてくるとは限りませんが、不動産業界の慣例になっているようです。

内訳を確認し、借主負担でないものを明確にする

借主が退去時に支払うべき項目には以下のようなものがあります。

  • ペットがつけた傷や汚れ
  • 鍵などの備品の紛失・破損に伴う補償
  • 特約事項に記載された項目
  • その他過失による修繕費

借りた人の過失であれば修繕が必要ですが、管理会社によっては払う必要のないものまで請求してくることがあります。
内訳をしっかり確認して、支払い損がないようにしましょう。

ただし入居時の契約書に「特約」としてハウスクリーニングやその他特記事項が記載されていれば、借主がこれを了承したとみなされ退去時には請求に対し支払いを行う必要があります。
入居時はしっかり契約書を読んでおきたいですね。

とはいえ賃貸契約の時は管理会社の方が強気な場合も往々にしてあります。
特約内容が常識と予算の範囲内であれば、妥協する必要も出てきます。

原状回復ガイドラインや消費者センターを利用

退去時に請求された項目が妥当かどうかは、契約書とともに国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』を確認すると判断できます。
前述のように契約書に特約として記載があれば、借主に負担義務が発生しますのでご注意ください。

具体的に相談したい、という方は国民生活センターや消費者センターのほか、弁護士会など各自治体に無料相談窓口がありますので利用してはいかがでしょうか。
相談できる機関はさまざまですが、私は沖縄県の宅地建物取引業協会に問い合わせました。
ぜひお住まいの都道府県のホームページから「宅地建物取引(消費者向け)」に関する情報をご確認ください。

請求が減額できるのはなぜ?原状回復は?修繕費は?

管理会社は請求できれば儲けもの、という考え

不動産会社の全てが悪徳、ということはありません。
しかし多くの管理会社では「請求して払ってくれれば儲けもの」と考えています。

何も知らずに請求額を支払ってしまうと「同意した」とみなされてしまいます。
請求項目に違和感があればまずは調べてみましょう。

「原状回復=入居時と同じ状態」ではない

よく耳にする「原状回復」を「入居時と同程度の状態にする」と捉えている方も多いかと思います。
しかし「原状回復」とは借主の故意・過失または注意義務違反など通常の使用を超える範囲で損耗・棄損した場合に適用されます。
つまり常識外れの損害があれば対象になりますが、一般的な居住による消耗や傷などは修繕の必要がないということです。

また、住宅それ自体も築年数や居住により消耗していきます。
仮に借主の過失による破損や損耗があっても、築年数や居住年数に応じた減価償却分の支払いのみで済む場合がほとんどです。
根拠をしっかり示した上で、支払う必要のない項目については請求の修正をお願いしましょう。

原状回復には貸主負担と借主負担がある

一般的な範囲で掃除や管理を行なっていれば、特約を除きほとんどの場合退去費用は発生しません。
原状回復をするとしても、基本的には入居時に預けてある敷金から精算されます。

敷金とは、原状回復のためにあらかじめ管理会社に預けておく費用のこと。
家賃の滞納や修繕がなければ必要経費を差し引いて返還が原則。

管理会社に退去費用を請求されたら、まずはその内訳を確認しましょう。
例えば次の項目は貸主負担となります。

  • 鍵の取り替え
  • 壁や床の自然変色
  • 自然摩耗に伴う畳や障子の張り替え
  • 自然災害による破損
  • その他次の入居者のためのリフォームやクリーニング

ただし前述の通り、契約書に特約事項が記載されていれば借主負担となります。
ハウスクリーニングなどは特約として記載されることが多いため、しっかり確認しておきましょう。

Y家の実例と支払い費用

退去費用の値下げ交渉

ここからはY家の実例についてみていきます。
退去したのは学生時代から5年以上住んだ、築30年を超える月30,000円の格安アパート。
入居時に敷金・礼金を各1ヶ月分支払っていました。

退去〜請求まで

まずは管理会社に退去を申し出ました。
退去予定の1ヶ月の間に家財道具を搬出し、いつもより念入りに部屋を掃除します。
破損などはありませんが、何かあった時のためにいくつか気になる箇所の写真を撮りました。

管理会社と調整して退去の立ち会いを行います。
担当者も何枚か写真撮影をしていました。
なお、立ち会いは原則必要ないとの見解もあります。

住んでいたアパートは畳のある1DK。
入居時に「退去するときは畳返し代として30,000円をいただきます」と言われていました。
請求は契約書に特約として明記されているクリーニング代(30,000円)と併せておそらく60,000円、敷金から差し引けばまぁ実費は30,000円くらいだろうと予想。

ところが後日請求書が送付されてきて中身を確認すると

わい
わい

「180,000円超……!?」

そんなバカな。
預けていた敷金は1ヶ月分、差し引くと請求額150,000円以上です。
これはおかしいと思い内訳を確認します。

内訳の確認と相談

まずは畳返しとハウスクリーニングで60,000円ほど。
まぁこれは予定通りとして、他の項目はなんぞや……?
請求書には以下の項目が並びます。

  • 柱の傷
  • 壁の穴
  • 床の傷
  • 油汚れ
  • その他リフォーム代

※実際にはもっと具体的な場所と範囲が記載されていました。

などなど。

大盛りにしといたよ!

と言わんばかりの過剰サービスです。こんなにいりません。

納得できなかったので、地元の宅地建物取引業協会へ赴いて直接相談することにしました。
無料ということで申し訳なかったのですが、快く対応いただきました。
不明瞭な請求に関して質問すると「絶対とはいえないが借主が負担しないでもいい項目」と助言が。

わい
わい

後ろ盾ゲット!

管理会社と対決(?)

そして管理会社へ連絡。

わい
わい

あのー、お支払いに関してご相談があるんですけど(おそるおそる)

担当者
担当者

はいはいどうしましたか?

わい
わい

電話だとアレなんでお伺いしてもいいですか?

担当者
担当者

はい大丈夫ですよ!

ということで後日訪問。
何かあった時のために録音を開始して管理会社のドアをくぐります。
(録音は無事この記事に役立ちました)

担当は優しそうなおばtyもとい中年女性、丁寧に迎え入れてくれました。
以下はその時のやりとりです。

わい「退去費用についてなんですが……」
担当者「どうされましたか?お支払いは分割も可能ですよ」

わい
わい

此奴……!払うものだと決めつけてやがる……!

わい「いえ、請求項目について借主負担でないものがあると思うんですけど……」
担当者「え?どれですか?」
わい「これとこれとこれと(ほぼ全部)」

ここからおばちゃんのターン。長い説得が続きます。


担当者「でも原状回復というのがありまして(ウンタラカンタラ)、それに写真では(ウンタラカンタラ)」

一通り説明が終わった後で抜き出したるは伝家の宝刀。とはいえ内心はドキドキです。

わい「そうなんですね。でも念のため借主負担の項目について宅地建物協会に確認しました(会心の一撃!)」
担当者「……え?あー、そうなんですかー」

この一言が決め手となったのか、最初は優しそうだったおばちゃんが怪訝そうになりました。
考えすぎかもしれませんが「どこで知恵つけてきやがった」みたいな顔をしています。

担当者「……わかりました。社内で確認して後日ご連絡します」
わい「よろしくお願いします」

これで攻防戦は終了。時間にして15分くらい。
あとは結果を待つのみです。

3日後、管理会社から「畳返しとクリーニング代のみお支払いをお願いします」と連絡がありました。

わい
わい

やったー!勝ち取ったぞー!

ということで、敷金から差し引いた支払いは約30,000円で済みました。
実質120,000円の請求を回避できたわけですね。
敷金を多く払っている場合は取り戻せることもあるでしょう。
言われたまま支払わずよかった……。

退去時には内訳をしっかり確認しよう!

以上、賃貸物件退去時の請求金額交渉についてご紹介しました。
知らないだけで余計に支払ってしまうこともある退去費用。
しっかり確認して、無駄なお金を使わないようにしたいものですね!

また、入居時にはついつい見落としがちな契約内容
ハウスクリーニングやその他特約事項も事前にしっかり確認しておくことをおすすめします。

参考になれば幸いです!

わい
わい

それでは!あとからねー

今日のカタログ
  • 入居時には契約内容をしっかり確認
  • 退去時には内訳と支払い根拠を確認
  • 交渉に不安があれば無料の消費者センターなどにご相談を

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