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こんにちはー、わいです。
この記事はメディアワークス文庫出版、『君が最後に遺した歌』のレビューです。
ネタバレなしで感想を記載していますので、ぜひー。

なんかこう、感動系のおもしろい作品読みたいな〜
という方におすすめです。

それではまいりましょー!
概要
作品の概要は以下の通り。
- 作者 一条岬
- タイトル 君が最後に遺した歌
- 初版 2020年12月25日
- 出版社 メディアワークス文庫
- サイズ 文庫版
- 定価 630円
前作で『今夜、世界からこの恋が消えても』を書いた一条岬さん。
私自身は初めて読む作家さんでした。
あらすじ
田舎町で祖父母と三人暮らし。唯一の趣味である詩作にふけりながら、僕の一生は平凡なものになるはずだった。
ところがある時、僕の秘かな趣味を知ったクラスメイトの遠坂綾音に「一緒に歌を作ってほしい」と頼まれたことで、その人生は一変する。
“ある事情”から歌詞が書けない彼女に代わり、僕が詞を書き彼女が歌う。そうして四季を過ごす中で、僕は彼女からたくさんの宝物を受け取るのだが……。
時を経ても遺り続ける、大切な宝物を綴った感動の物語。
出典:メディアワークス文庫
主人公は安定した生活を目指して高校生活を大人しく生きる、詩作が趣味の水嶋春人。
ヒロインは秘密を抱える遠坂綾音。
クラスメイトでもある二人は、ひょんなことから互いを知り、親しくなっていきます。
“詞”作を頼まれた彼と、歌う彼女の物語。
目次
- 序章
- 一章 アイアンレディ
- 二章 彼の距離、彼女の距離
- 三章 それぞれの明日
- 四章 二人になるための一人
- 五章 やがて愛という名の
- 終章 君が遺した歌
その他
ページ数は281、約2時間で読めます。
作品レビュー
全体を通して
初読は前半と後半でテイストが変わる作品、という印象。
前半は甘酸っぱく、もう戻らない青春にくすぐったさを感じます。
後半は懸命に生きる二人の姿に寄り添いたくなる苦しくも心地いい後味。
個人的に本作のメインと感じるのが、二人の主人公の心理描写。
それぞれのシーンがとても丁寧で、かっこ悪さも含めて読み進めるごとに目頭が熱くなります。
ひとつの作品の中でこれだけの時間軸の移り変わりを違和感なく描写しているのはとてもすごいと感じました。
物足りなさをあえていえば、主人公の周りの登場人部の描写がやや少なく、もっと書いて欲しいなーと思いました。

脇役ってほんとすごい
全体を通してとても楽しめる作品。
よくある感動系かな〜、と思ってあまり期待していなかったのですが、しっかりと作り上げられた構成に、納得感間違いなし。
音楽が登場するシーンが多々あるので、映像化されるならぜひ見てみたいです。
印象的なシーン
前項でも触れましたが、前半はむずがゆくなるほどの青春シーンが目白押し。
特に彼が彼女を追いかけるシーンは、シンプルながら不自然さのない「アオハル!?」みたいな印象。

私にはこんな青春なかった
対して中盤では主人公である水嶋の「強い意志のもとに何もしない」という選択。
駅のシーンはグッときますね。

こんな高校生いるのかしら……。
終盤はネタバレになるので割愛。
とはいえ誰かと共有したいので、よろしければTwitterでDMください!
感想
以上、『君が最後に遺した歌』についてのレビューでした。
全体を通してとてもいい作品でした。
感動系の作品は昨今の流行からネタ切れ感があるものの、それでもしっかり楽しませてくれたのは構成と心理描写によるものでしょうか。
作者の他の作品も読んでみたい、と思った一冊でした。

読後感が心地いい〜。機会があればぜひどうぞ!
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